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(妊婦へのワクチンの影響)流産リスクなし、有効な感染予防・発症予防あり、母乳内の抗体量増加
日本より先行して妊婦への新型コロナワクチン接種を始めている米国では、ワクチン妊婦への影響に関する論文が出ておりますので、要旨のみご紹介いたします。
(予防効果)
米国では約2.2万人の妊婦へのファイザー製ワクチンの効果が発表されました。
2回接種7日後から56日後までの感染予防効果(=そもそも新型コロナに感染しない)が約96%、発症予防効果(=新型コロナに感染しても症状がでない)が約97%、入院予防 効果(感染しても重症化して入院しない)は約89%でした。かなり高い確率での各予防効果が認められています。
(流産のリスク)
米国での調査で妊娠前もしくは妊娠中にワクチン接種した場合の自然流産のリスク(自然流産になる確率)は、一般的な自然流産のリスクと同程度でした。つまり、ワクチン接種により流産が引き起こされることはないといえます。
(母乳中の抗体)
ワクチン2回接種後の産後の母乳内には未接種時に比べて、新型コロナウィルスへの抗体(ウィルスと戦うタンパク質)が約100倍増えていることが報告されました。まだ、赤ちゃんが母乳を飲んだ後に、その抗体が血液中に取り込まれるかは調査が終わっておりませんが、取り込まれれば赤ちゃんにも免疫力がつく可能性があります。
参考論文
Dagan N, Barda N, Biron-Shental T, Makov-Assif M, Key C, Kohane IS, Hernán MA, Lipsitch M, Hernandez-Diaz S, Reis BY, Balicer RD. Effectiveness of the BNT162b2 mRNA COVID-19 vaccine in pregnancy. Nat Med. 2021 Sep 7.
Zauche LH, Wallace B, Smoots AN, Olson CK, Oduyebo T, Kim SY, Petersen EE, Ju J, Beauregard J, Wilcox AJ, Rose CE, Meaney-Delman DM, Ellington SR; CDC v-safe Covid-19 Pregnancy Registry Team. Receipt of mRNA Covid-19 Vaccines and Risk of Spontaneous Abortion. N Engl J Med. 2021 Sep 8.
Valcarce V, Stafford LS, Neu J, Cacho N, Parker L, Mueller M, Burchfield DJ, Li N, Larkin J 3rd. Detection of SARS-CoV-2-Specific IgA in the Human Milk of COVID-19 Vaccinated Lactating Health Care Workers. Breastfeed Med. 2021 Aug 20.